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いつもの公園がラボに変身? 初夏の都市公園で「未来のあそび」を体験——「PLAT PICNIC LAB.2026」
ゴールデンウィーク初日の5月2日から3日間にわたり開催された「PLAT PICNIC LAB.2026」は、新しい生き方のヒントを楽しい体験として紡ぎ出す「エシカルテインメント(※)」の実験イベントです。最新テクノロジーとクリエイターのひらめきが交差する会場は、まるで公園の中にひっそりとつくられた秘密の実験室のよう。参加した人々は、“新しいあそび”を全力で楽しみながら、最先端の技術がこれからの暮らしや都市の自然をどう豊かに変えていくのかを、肌で体感していました。
(※)エシカルテインメント=ETHICAL(倫理的な)とENTERTAINMENT(娯楽)を掛け合わせたTOPPANによる造語。企業の活動や製品・サービスのエシカルな概念と、楽しい体験を掛け合わせてデザインし、さまざまな方法で生活者を巻き込みながら編集・情報発信することを意味します。
- 取材・執筆
- 榎並紀行(やじろべえ)
- 撮影
- 上村窓
- 編集
- 榎並紀行(やじろべえ)、宇野宙(CINRA, Inc.)
都市公園を「実験室」に。多様なプレイヤーが描く次世代のパブリックスペース
「PLAT PICNIC LAB.」は、その場限りのイベントではありません。2025年に「PLAT UMEKITA」で生まれ、「これからの都市公園での新しいあそびかた」を探し続けている、アクティブな研究所のようなチームです。TOPPANを中心に、さまざまな企業や学校、クリエイターたちが垣根なくつながり、「うめきた公園をもっと楽しくしたい!」という想いで、社会に優しいアイデアや実験を日々カタチにしています。
2025年に続き2回目の開催となる今回は、キリンビールや83Design、超人スポーツプロジェクト、立命館大学、名城大学といった、心強いパートナーが新しく仲間入り。「PLAT UMEKITA」ならではの自由でワクワクする企画力と、企業や学校が持つ最新技術がひとつになりました。「みんなで垣根を越えて、一緒に新しいものをつくる」というこのスタイルは、これからのまちづくりや公園の新しい活用モデルとして注目を集めています。
このイベントの最大の魅力は、参加者が「楽しい!」という素直な気持ちを入り口に、まちをもっと好きになったり、新しい人とのつながりを感じたりできるところ。園内のあちこちに散りばめられた素敵なきっかけを通じて、参加者は「遊ぶ」楽しさとともに、都市への愛着を持ち帰ることができます。
飛び出す効果音、香る空気砲、進化するムシ? 芝生広場で楽しむ3つの実験
会場には、企業とクリエイターが一緒になって生み出した3つの「未来のあそびのタネ」が登場し、子どもたちの元気な歓声が響き渡っていました。
実験①『音と応援が力に変わる!? 超人スポーツ大実験』(共創:超人スポーツプロジェクト × TOPPAN)
縄跳びやボールに小さなセンサーを付けるだけで、いつもの遊びがまったく新しいスポーツに変身するワークショップです。自分の動きに合わせて楽しい音が出る仕組みになっており、反復横跳びをしたりボールを蹴ったりすると「ドカーン!」「キラキラ」とにぎやかな効果音が鳴り響きます。
体を動かすのが大好きな子も苦手な子も、恥ずかしがり屋な子も、誰もが気軽に楽しめる。みんなが主役になれるのが「超人スポーツ」のコンセプトです。そこに公園という舞台を掛け合わせることで、思わぬ相乗効果が生まれました。主催者である超人スポーツプロジェクトの担当者は「公園というオープンで自由な場所と、子どもたちのピュアな発想力がかけ合わさると、本当にすごい化学反応が起きるんです。私たちが想像もしていなかった遊び方を次々と生み出していく様子は、新鮮な驚きの連続でした!」と、この新しい試みに大きな可能性を感じていました。
実験②『“クラフト”香りの空気砲』(共創:キリンビール × TOPPAN / 技術協力:立命館大学・名城大学)
キリンビールが追求し続ける「香り」を、全身で堪能できる実験です。会場には、ビールの香りの素となるホップから、ゆず、コーヒー、さらにはパクチーや味噌といった遊び心あふれるものまで、さまざまな香りが漂っていました。
子どもたちは、ずらりと並んだアロマから好きな香りをセレクトして調合。段ボール箱にイラストを描き込み、世界にひとつだけの「マイ空気砲」を作ります。
完成した空気砲を手にした子どもたちたちは、すぐさま目の前の公園へ。芝生を駆け回りながら空気砲を放つと、爽やかな香りが広場を優しく包み込んでいました。
・『もしもむし2』(共創:83Design × TOPPAN)
はるか宇宙から舞い降りた、未知なる生態を持つ「もしもむし」を、みんなの手で進化の旅へと導く“継承型NEO昆虫標本づくり”。前回の「PLAT PICNIC LAB.2025」でも人気を博した遊びが、バージョンアップして帰ってきました。
参加者は未来の扉をたたく「新人研究員」となり、前の研究員がそっと残してくれた「願いカード」のメッセージをヒントに、ムシのパーツを新しく組み替えていきます。誰かの想いを受け継ぎながら、まだ見ぬ生命に新しい命を吹き込んでいく。そんなアイデアのバトンタッチが、小さな標本箱のなかに新しい進化の物語を紡ぎ出していました。
印象的だったのは、「モシモムシール」を大切そうに見つめる子どもたちの満足げな笑顔です。見ず知らずの誰かが生み出したアイデアが、カタチを変えて次の誰かへと受け継がれていく。この新しい遊びには、無限の可能性と広がりが詰まっていると感じました。
今日の「楽しい!」が未来の日常に。うめきたから広がる新しい遊びのカタチ
今回の「PLAT PICNIC LAB.2026」という実験室から生まれた、興味深いアイデアのタネたち。これらは一過性の思い出で終わることなく、これからさらに磨き上げられ、私たちの日常をそっと豊かにする“未来の公園の景色”として、社会に溶け込んでいくことを目指しています。
本プロジェクトの企画者の1人であるTOPPANの鳴河まゆ氏は、今回の手応えとこれからの展望について、次のように語ってくれました。
「第2回となる今回の『PLAT PICNIC LAB.』は、企業やクリエイター、学校機関との『共創』の輪が前回以上に広がりました。多様なパートナーさんと、雑談レベルのブレストから『理想の未来』について語り合い、ゼロから一緒にコンテンツをつくり上げることができました。また、立命館大学さん、名城大学さんとは空気砲の研究を通じて連携するなど、産学官のコラボも深まったと感じています。
私たちがこれらの共創において最も重視したのは、直感的な『楽しさ』を入り口にすることです。各コンテンツにはソーシャルグッドなメッセージが込められていますが、それを前面に押し出すのではなく、大人も子どもも理屈抜きで『やってみたい!』と夢中になれる設計を徹底しました」
「企業やクリエイター、学校機関との共創を含め、この場から大阪発の新しい『遊び』を世に出すことが大きなポイントです。「PLAT UMEKITA」は、『エシカルテインメント』をコンセプトに、さまざまな企業やクリエイターをつなぐハブとしての役割を期待されています。ゆくゆくはここで生まれた遊びがおもちゃとして製品化されたり、他の都市公園へ波及していったりすることが理想ですね
今回はイベント初日から、「PLAT PICNIC LAB.」を目的に訪れる来場者や取材が昨年より増加しており、確かな手応えを感じています。何より、子どもたちが私たちの想定を超えて、新しい遊び方を次々と生み出していく姿を見られたことが一番の喜びです」
「楽しい!」がまちを変える。共創から生まれる未来の公園の過ごし方
3日間にわたる実験が教えてくれたのは、単なる最先端テクノロジーのお披露目ではなく、人と人、そして人と場所をあたたかな温度で結ぶ、未来の公園の過ごし方そのものでした。
「PLAT PICNIC LAB.」が見せてくれた、理屈抜きの「楽しい!」と社会への優しさを両立させる企画力。そして、垣根を越えて手を取り合う共創の仕組みは、うめきたの地を飛び越えて、日本中の公園やまちづくりのヒントになるはずです。
今日、青空広がる芝生の上で弾けた子どもたちの歓声が、やがて当たり前の未来の日常になっていく。そんな予感に胸がときめく、素晴らしい未来の実験空間でした。