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2025年度グッドデザイン賞 受賞
PLAT UMEKITAが、2025年度 グッドデザイン賞を受賞いたしました。
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【審査委員の評価】
●担当の審査委員
五十嵐 久枝/大野 力/窪田 茂/吉田 愛/Shu-chang Kung
●評価コメント
巨大な映像モニターと様々な可動家具からなる開放的でフレキシブルな空間が、大らかな屋根下で公園と繋がり拡がる様は、単に情報提供だけを行うインフォメーション施設のイメージを一新しており、特に用がなくても公園と同様に長居してしまいそうである。また家具の素材や形態は、公園の土を利用したり石ころをモチーフにつくられており、公園との連続性が助長されている。体験型のイベント等も行う公園のようなインフォメーション施設が、公共空間での新たな振る舞いを創出していくことに期待が持てる。
●詳細
新しい時代の価値観を体験型のイベントを通して楽しく伝える、うめきた公園のインフォメーション施設。暮らしを取り巻く様々なマテリアルを積極的に採用し、来訪者に都市や自然の素材への気付きを与える空間を目指した。パークサイドの開放的な心地よい空間で、これからの時代に必要なエシカルな感覚を養う体験の場を提供している。
●デザインのポイント
- 都市や自然の素材に目を向けてもらうキッカケを与える為、暮らしを取り巻く様々なマテリアルを積極的に採用
- 間仕切りがなく開放的な空間とすることで、公園と施設をシームレスに繋げ、気軽に立ち寄れる場を提供
- 可動式のフレキシブルな什器と大型ビジョン映像で、様々な展示や企画演出に対応した空間構成
●プロデューサー
TOPPAN株式会社 松居秀和
●ディレクター
TOPPAN株式会社 折尾大輔、木村和也、早川凌司、鳴河まゆ
●デザイナー
株式会社博展 堀田純希、藤原慧茉+デザインで株式会社 齊藤智法、澤田翔平
●利用開始 2024/09
●場所 大阪府グラングリーン大阪うめきた公園サウスパーク内
●背景
エシカル、サステナブル、ウェルビーイングなど新しい時代の価値観から常に社会は正しさを問われている。現代において必要なのは、忙しなく過ぎ去る日々ではなく、目前に広がる新緑、足元に落ちた紅葉、日常を見る豊かな観察眼なのだろう。大阪梅田に誕生した、うめきた公園は、都市の窮屈さの隙間に出来た心地の良いゆとりを生む豊かな場所になる。そんな公園と都市をつなぐ結節点であるPLAT UMEKITAは『Ethical-TAINMENT』をコンセプトに都市公園で過ごす時間をより楽しく、さらにサステナブルに生活を豊かにする為の五感をひらく体験を提供するインフォメーション施設。今までの都市生活では気づかなかったような視点でものを見て、触って、語り合うことで知的好奇心をくすぐり気づきを与える手助けとなり、これからの時代に必要なエシカルな感覚を養う場としての空間デザインを目指した。
●経緯とその成果
PLAT UMEKITAは暮らしを取りまく様々なマテリアルがフラットに共存している。例えば公園の植栽に用いられる「客土」を左官材に活用した「インフォメーションカウンター」や空間の大部分を占める展示什器は最も身近な「木材」を使用。身の回りに溢れたフェイクの木目ではなく木の香りのする国産杉の間伐材を活用したユニークな展示台。さらには公園に転がる「石ころ」をモチーフにした暮らしを取り巻くマテリアルを「ころ」として施設内に配置することで小さな気づきや疑問を与え、眼差しを変えるきっかけが生まれている。そして時に思い思いの時間を過ごす宿り木的存在であり、時にお互いが向き合い集い平等に語り合う対話の場となる、「集いの場」を設けることで、機械的に情報を発信するインフォメーション施設ではなく訪れた人の活動がPLAT UMEKITAの風景を作り上げる、そんなエシカルテインメントを体現する象徴的な場を実現した。
●仕様
施設面積:285.63㎡